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仮設住宅の「保健室の先生」菅野テル子さん – OnagawaNow! 2017年6月18日放送分

2017年06月26日

女川さいがいFMから、
放送を東北放送TBCラジオ
そして各地のコミュニティFMで継続している
女川町発信のラジオ番組
「おながわなう。」改め「OnagawaNow!」

今回は自らも仮設住宅に住みながら
同じ仮設に住む高齢者の見回りや健康を守りつづけ、
「仮設の保健室の先生」と親しまれてきた
菅野(かんの)テル子さん(73)をお迎えしました。

女川町で最初に完成し、かつ多くの世帯が入居した
「多目的運動場仮設住宅」。
200世帯近かった入居者も
現在は1/3程度までになってきたそうです。

菅野さんご自身も12月に自宅を再建し、仮設を卒業。
それとともに6年間勤めてきた
「心と体の相談員」を退きました。

もともと女川町内や石巻の小中学校、
さらには石巻高校など小学校から高校までを転々としながら
養護教諭、つまり「保健室」の先生として
地域の子供達と向き合い、
健康管理に取り組んできた菅野さん。

定年後も産休の先生の替わりなどで
働きつづけていましたが、
それもそろそろ・・というタイミングで
東日本大震災に被災。
女川町内にあった自宅も流されました。

震災から半年近くが経ち、
仮設住宅に入ることになったとき、
そこに保健師などを巡回させる
「心と体の相談員」制度が導入されることとなり、
社会福祉協議会からの依頼で
仮設住宅の「保健室の先生」として
働く日々がはじまりました。

自分も同じ立場だけに痛感する、
「何もする気がおきなくなってしまう」人たちの気持ち。
でも「人間を磨き続けていかなければダメになってしまう」
そう菅野さんは考えていました。

「生きているんだから、生き残ったんだから
ちゃんと人生をやりなおさなければ
(津波で亡くなった方々に対して)申し訳ない。」

そんな想いから一念発起し、
「ここからまた人生再スタートだよ」と
周りを元気づけてまわりながら、
ラジオ体操、カラオケ、料理教室など
様々な催しを企画。
家の中に閉じこもるのではなく、
生きがいや役割が得られるようにと
さまざまな取り組みを行ってきました。

6年が経ち、
やっと仮設を「卒業」する人が増えてきたいま。
それ自体は喜ばしいことのはずなのに、
改めて危機感を感じていると
菅野さんは話します。

「仮設住宅で作ってきた人間関係が、
引っ越しでまたリセットされてしまっている。」

いままでやってきたような取り組みや
繋がりを改めてどう作っていくか──

その大切さや、
これまでの活動で感じたことを
お話しいただきました。

後半はおたよりコーナーや、
高校生アナウンサーによるミニ番組
「おながわなう☆ちび」をお届けします。

■ポッドキャスト版「OnagawaNow!」は……

「OnagawaNow!」ポッドキャスト版では、
TBCラジオで放送した内容を元に
ポッドキャスト用に再編集・構成して
お届けします。

著作権の関係で、
音楽やテーマ音楽につきましては
一部の曲、BGMなどをカットしたり、
差し替えております。

※地上波ラジオ版「OnagawaNow!」は、
TBCラジオ(宮城県・AM1260KHz/FM93.5MHz)をはじめ、
全国各地のコミュニティFMで放送しています。

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