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「一生を引き換えにしてもほしい10秒があるんです」佐々木里子さん(ホテルEL FARO)- OnagawaNow! 2017年4月16日放送分

2017年04月22日

女川さいがいFMから、放送を東北放送TBCラジオ・各地のコミュニティFMへ移してリニューアル・継続している「おながわなう。」改め「OnagawaNow!」
ここでは、毎週TBCラジオで放送した内容を元にポッドキャスト用に再編集・構成してお届けします。

女川町民はもちろん、ゆかりの人々をご紹介していくインタビューコーナー「この人さ聞いてみっちゃ」。
今週は女川町の復興を支える「灯台」でもある、トレーラーハウスホテル「EL FARO」で女将をつとめる佐々木里子さんにご登場いただきました。

■「被災地初のトレーラーハウス宿泊村」ができるまで

女川町で代々旅館「奈々美や」を営む家に生まれ、子供の頃から両親の仕事を手伝ってきた佐々木さん。
進学、結婚を機に一旦は女川を離れたものの、高齢となった両親を支えるため震災の数年前に女川へ戻り、旅館の手伝いを再開しました。


震災前の女川「奈々美や」

「この仕事が大好きだ。継がせてもらいたい」
そう思ってはいたものの、嫁に出た娘に「継いでほしい」とはなかなか言えなかったご両親──。

そんな折、東日本大震災が発生します。
女川町を襲った大津波は旅館の建物もご両親もすべて奪い去り、里子さんはとうとうその想いを伝えることができませんでした。

女川の町が復興へ向けて動き出すなか、人々を悩ませる問題が持ち上がりました。
それは「泊まるところがない」ということ。

津波でほとんどの旅館やホテルが流されてしまい、わずかに残った場所はフル回転。
復興工事をはじめようにも、それに伴ってやってくる人たちが泊まる場所がなかったのです。
仙台や内陸部から片道1-2時間かけて通ってくる状況は、あきらかに復興を遅らせていました。

そこで立ち上がったのが、町でもともと旅館やホテルを経営していた人たち。
一番若かった里子さんを中心にひとつにまとまり、現状の打破に向けて動き出しました。

建物が建てられる土地がないという問題は、トレーラーハウスという「移動可能」な建物を使うことでクリア。
町の内外から待望されていたこの施設は、スペイン語で”灯台”を意味する「EL FARO(エル・ファロ)」と名付けられました。

EL FARO – エルファロ – 被災地初のトレーラーハウス宿泊村
http://elfaro365.com/sp/index.php

2012年12月のオープン以来、EL FAROは工事関係者、復興関係者はもちろん、町内に親戚・知人がいる人、出身者、そして観光客と多くの人を受け入れ続けてきました。

■ことし夏、JR女川駅前でリニューアルオープン

震災から数年がたち、たゆまぬ復興の積み重ねによって町の様子も様変わりしてきました。
ついに現在営業している清水地区も復興工事が開始されることとなり、EL FAROはことしのゴールデンウィークを最後にいったんお休みにはいり、場所を移転することになりました。
再開はことし夏、JR女川駅の線路脇にてあらたな歩みをはじめる予定です。

これまでの4年間を振り返りつつ、夏の移転に向けての今の想いなどを語っていただきました。

本編中では、歌手・八神純子さんが聡子さんの話をもとに作ったバラード「一年と10秒の交換」にまつわるエピソードも披露します。
(なお、ポッドキャスト版では曲はカットしています)

■ラジオ未公開トークも収録しています!

このポッドキャストでお届けするトークは、ラジオ放送では時間の都合でカットした部分も含めた「ロングバージョン」。
ラジオでお楽しみいただいた方も、改めてお楽しみいただけます。

著作権の関係で、音楽やテーマ音楽につきましては、一部の曲、BGMなどをカットしたり、差し替えております。あらかじめご了承ください。

ラジオ放送版「OnagawaNow!」は、宮城・東北放送TBCラジオ(仙台AM1260KHz/FM93.5MHz)、また全国各地のコミュニティFMでお聞きいただけます。こちらもあわせて、チェックしてみてください!