お知らせ

第四十四回・放送文化基金賞・受賞のご報告

2018年06月08日

2018.6.6
一般社団法人オナガワエフエム
http://onagawafm.jp

私共オナガワエフエムが毎週制作し、TBCラジオ(東北放送)をはじめ、コミュニティFMなど、全国のラジオ局で放送していただいている「OnagawaNow 佐藤敏郎の大人のたまり場」。

この度、その番組制作スタッフ一同に対して、財団法人放送文化基金が毎年実施している「放送文化基金賞」の個人・グループ部門をいただきましたので、ご報告もうしあげます。

◇受賞の理由と御礼
「さいがいFM」から変わらず、休まず、現地から発信し続けていること。

この番組は、私共オナガワエフエムの前身であり、東日本大震災を受けて、2011年4月から5年間に渡って女川町内で放送した臨時災害放送局「女川さいがいFM」の看板番組であった「おながわ☆なう。」のタイトルと精神を受け継ぎ、災害FM閉局直後の2016年4月からスタートしました。

放送「局」から、週一回の「番組」へと形は変わりましたが、パーソナリティーも、ゲストも、出演者は、ここ宮城県女川町に生きる人々であり、現地の人々同士が、お茶っこ飲み話をするようにホンネで語るというトークの部分に多くの時間を割くというスタイルは変えず、あの震災を経験し、そこからの復興真っただ中にある「いま」を生きる人たちの人生と言葉、それを通して女川町・被災地の「いま」を知っていただきたいと、ラジオ及びインターネットを通して、全国へと発信してきました。(その回数は115回、さいがいFM時代から通算すると2163回を超えています。)

番組をきっかけに、実際にここ女川町を訪ねてくだったリスナーの方も多くいらっしゃいます。普段は町内のお土産店で働いたり、被災地の語り部ガイドをしているパーソナリティの二人のもとにもたくさんの方がラジオをきっかけに訪ねてくださいます。

「さいがいFM」時代は、被災地への応援・支援という側面が強かったですが、近年では、新しい町づくりが進み、楽しい町・行きたくなる町と評価していただくことも増えました。ラジオは変わらず、全国と女川町を結びつける存在でもあります。

今回は、こうした番組、活動の姿勢に対して評価をいただきました。

このような賞をいただけましたのは、現在、直接番組に携わっているスタッフだけでなく、「さいがいFM」終了後も放送を続けることが必要と考え、応援いただいた女川町関係者の皆さま、東北放送やコミュニティFMなど実際の番組を放送していただいている各局の皆さま、そして、何よりも、これまで7年間、「女川さいがいFM」からの活動をご支援・応援いただいた全ての皆さんのおかげでいただいたものと考えております。

改めて御礼申し上げますとともに、引き続き、女川町の「いま」を伝え続けていけるよう、一同、今回の受賞を励みにさらに頑張ってまいりたいと思います。

今後とも番組ならびに私共、オナガワエフエムの活動を応援していただければ幸いです。

◇受賞にあたって・・・パーソナリティから

◇パーソナリティ 佐藤敏郎より
「私が参加したのは2014年からですが、女川さいがいFMのスタートは、2011年4月。何もかも流され、町中ガレキに埋もれていた時期です。今回の受賞は、女川町の皆さんはじめ、7年間関わり、支えあい、聞いていただいて、繋がったすべての皆さんの涙と汗、笑顔、その他すべての結晶だと思っています。その仲間にいれていただき、本当に感謝しています。」

佐藤敏郎プロフィール
佐藤敏郎(54才) 宮城県石巻市(河北町)出身・在住。
宮城教育大学卒業後、1987年より、石巻地方で中学校教諭(国語科)として活躍。28年の教員生活の中で、そのうち11年を女川町に勤務する。震災では、石巻市大川小学校に通っていた次女みずほさんが津波の犠牲となり、遺族ともなった。その経験から防災教育担当を経て、2015年からはフリーの立場で語り部ガイドなどとして活躍。「2度と、同じような犠牲を出さないために」何をすべきかを全国で語り、また語り合う活動を行っている。

女川さいがいFMへはゲスト出演を経て、2014年の4月から「佐藤敏郎の大人のたまり場」という番組を担当し、レギュラー出演。2016年4月からは東北放送に放送元を移して、改めてスタートした「OnagawaNow 佐藤敏郎の大人のたまり場」のパーソナリティを担当。

◇パーソナリティ 阿部真知子より
「今活動しているメンバーはもちろん、私の知らない時代のさいがいFM含めて、みんなの力でいただけた賞だと思っています。本当にありがとうございます。東京での授賞式は皆さんの代表のつもりで行ってまいります。」

阿部真知子プロフィール
阿部真知子(35才) 宮城県女川町出身・石巻市在住。
仙台育英高校卒業後、地元にて働く。震災時は石巻市内でアルバイト勤務しており、勤務先が津波で流される中、幸い自宅は無事だったため、ボランティアなどをしながら過ごしていたが,2014年から友人の紹介で、女川さいがいFMを手伝うようになる。また中学~高校時代はソフトボール選手として活躍。今も女川中学校の女子ソフトボール部でコーチを務める。

現在は普段は町内のおみやげ店「あがいんステーション」で働きながら、週一回日曜日に、番組の現地ディレクター兼パーソナリティとして活動中。またさいがいFMのTwitterやInstagramを通じて、日々、女川町の様々な話題をレポートしている。